成長=(達成感+失敗)×繰り返した回数 エヴァQ の感想【ネタバレ有り】
久しぶりにブログを更新しましょう。
で、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q のネタバレ感想です。
【ネタバレを含みますので、くれぐれも閲覧にご注意ください】
以下ご注意を。
あらすじ。
飲み会に1時間遅れてきた碇シンジくん。
「今何話してるの?」と聞くとミサトさんやリツコさんや見知らぬ人たちに「うるせえおまえがしゃべると白ける。黙ってろ。」と言われて落ち込む。
それを見かねたカヲルくんが「このギャグやったらみんな喜ぶよ」とおすすめしてきたギャグを体を張ってやってみたら「おまえつまんねえよ、マジぶっ殺すぞ?」と言われ総スカン。ふてくされて端っこでみんなに背を向けて寝てたら、友達のアスカちゃんがシンジくんの背中を蹴り「帰るよ!」といって迎えに来てくれた。
そんなお話でした。
間違ってないよね?
■ 成長=(達成感+失敗)×繰り返した回数。
エヴァンゲリオン新劇場版は徹底して碇シンジの成長物語なのですね。
話がいきなりそれるけど、みんな裏切られた破ラストのQの予告。今考えたら見事な出来でした。
「果たして生きることを望む人々の物語は何処へ続くのか」でたどり着いた先がQなわけで、人々の物語が劇場で語られることはない、と。
話を本題に戻しましょう。
この物語は碇シンジの成長物語です。
やったった!という達成感(≠成功)をベースに、詳しいことはよくわからないけどヤレそうだと思ったことに周りは止めるけど敢えて手を出してみる、そして失敗することってだれでも人生に1度や2度は味わう失敗だと思うのですね。
- 原チャリ乗りこなしてきた俺に車の運転なんかわけないぜ?族の友達も助手席にいるしよぉ、へヘンっ!とか。
- 株式相場で失敗もしたけど、修羅場くぐり抜けてきた俺様がFXごときで死ぬわけ無いだろう、いいアドバイザーもいるしな、へヘンっ!とか。
- 今までDV紛いのやつとか面倒くさい年下男相手にしてきたから、既婚者の年上だったら金持ってるしもっと楽だろう、へヘンっ!とか。
よく回りにいますよね。「お前、一回自分でやらかしかけたのに、今度は怪しい奴に乗せられてまたズレたことヤラかすのか?アン?」って奴。経験値少ないくせして調子に乗っちゃってるアレです。アスカがバカシンジからガキシンジに変化したのは正鵠を射ています。バカじゃないのです。方向性としては間違ったことをしようとはしていないのだけど、経験値が低い故にズレているだけのガキなのです。
忙しそうな中に放り込まれ、よくわからないけど役に立ちたいという気持ちを持つことはとても自然な感情だと思います。
でもある程度経験値を積んだ人なら「迷惑にならない程度に役に立とう」と思う反面、経験値が少ない目立ちたがり屋のガキンチョは「俺ができる最大限のことをやってやる!できるし、オレ!」みたいに、自分をひたすら優位に立たせようとしてしまいます。
そしてそれが認められないとなるとふて腐れる。受け入れてくれる方に流れる。
自分がやってきたことのマイナス面を突き付けられると受け入れられないし、一発逆転のチャンスを得ることでマイナス面に立ち向かおうとしてしまいます。
で、結果功を焦りまたヤラかす。
ヤラかした後、打ちのめされて思考停止して、動くことすらできなくなる。
(今回の最後の方のシンジくんは本当に思考停止して動けなくなってましたね)
周りの人たちがケツを拭いてまわる様子を眺めることすらせずに時間がすぎるのを待つだけ。
こんな経験、誰しも持っているんじゃないですか?(オレはあります!)
今回のQが非常に優れているのは、あのヤラかす過程を見事に追体験させてくれるようになっているところです。
徹底的にシンジ視点です。
だから多分「よくわからないまま終わったし、疲れたし、もう何なのあれ意味わからんし、こんなのが見たいんじゃない!」という人は多分バッチリ制作側の狙い通りになったお客様なのだろうと思います。(もちろん私も)
成長っていうのは達成感と失敗を繰り返した結果生まれるものです。
今回これまで達成してきたことがあったからこそ、最後にはアスカが手を差し伸べてくれたし、アヤナミもついてきた。
「希望は残っているよ。どんなときにもね。」
「反復練習だよ。良い音が出せるまで何度でもやり続けるしかないよ」(ごめん適当)
カヲルくんも言う通り、成長するためには何度も繰り返すしかないのです。
「お前の転んだ姿に興味はない。立ち上がろうとする姿に興味があるんだ」
リンカーンのこの言葉にもあるとおり、完結編は失敗にもめげずに立ち上がろうとするシンジくんの姿を拝めることを願います。